-心不全@-


生理学の内容を踏まえて心不全を考えていきましょう

「不全」と言うくらいですから機能を十分に果たしていない状態です
心臓の役目は全身の組織に十分な血液を供給することですから
その不全と言うとこの逆になるわけです
前提として心臓自身に原因があることが大事なので、その内容を組み込んで
十分な静脈還流がありながら全身の組織に十分な血液の駆出ができない状態
と言えます
この十分な静脈還流があるにも・・・
の部分が心臓に原因があることを示しているのがわかりますか?
解ったらかなり理解できていると思いますよ

問題はこの状況が起こっているとどうやって判断するかです
心臓の動きを見るには超音波があります
しかし動きが弱くても必要な血液は十分送り出せているかもしれませんね
つまり心不全とは心臓の動きだけで診断されるものではないのです
心不全とは病名ではなく状態名なのだと理解してください

心不全と診断される時には
全身の組織に十分な血液の駆出ができない状態
に引き続いて起こる症状が起こっている状態なのです
ですから心臓を助けようとしてあれこれ体が反応し
その結果引き起こされる症状によって起こる症候群と言えます

これら循環器系の調節の破綻によるものとして
心不全は神経体液系の障害であると言われるようになっています
つまり調節機構ががんばってもそれに答える力が心臓に無く
全身の反応が裏目に出ている状態です

ここまではよろしいですか?


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  -心不全A-


解りづらい部分は解説いたしますので
お気軽にご意見くださいませ

心不全の症状としては浮腫が有名ですね
これは過剰な体液があって、主に間質(細胞の間の組織)が水ぶくれになっています
ですから末梢組織に酸素が行き渡らない症状もあるのですが(易疲労感として現れます)
外から見ると浮腫に起因する症状が解りやすく有名です

足が浮腫んだり、腹水がたまったりするのはご存知でしょう

これはどういうことかと言うと
心臓の収縮力が落ちる → 体が反応して前負荷を上げようとする → 体液を増加させる
こんな反応が起こっているのです(生理学の応用です
当然交感神経も頑張って収縮力を増すように動くのですが
いわゆる心不全はそれだけでは足りずに、体液変化を来した状態だと思ってください

健常な状態では前負荷が増えることで心拍出量が増加して丸く収まります
しかし何らかの理由で心拍出量を増加することが出来ないと
心臓の手前側が水浸しな状態になります
心不全症状はこれを指していることが多いです
例えば左心の手前には何があるかと言うと肺循環です
そのため肺に血液があふれ出し肺うっ血を引き起こします

すると肺の間質が浮腫み酸素の拡散を障害することになり
低酸素血症を来たすことになるのです

つまりよかれと思って増やした前負荷が裏目に出て
組織の浮腫による障害につながっているのです
この二次的に起こっている症状を見ていることを覚えて置いてください

では右心系ではどうかと言うと・・・手前には何がありますか?
全身の静脈(体静脈)と各臓器などですね
これが浮腫みます
重力に従って下の方に浮腫が目立ちます
組織の間質が浮腫むので足、特に下腿浮腫として有名です
あとは何でも浮腫みますが、肝臓とか腸管なんかも浮腫みます
するとそれぞれの臓器が障害された症状が現れてきます



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